【セカンドキャリアインタビュー vol.2】小坂悠真〜泳ぐビジネスアスリート〜

こんにちは!
TRYJINです。
セカンドキャリアインタビューの第2回は小坂悠真さんにお話しをお伺いしてきました。
水泳で日本ランキング一位になり、順風満帆なアスリート人生を送っていた方が、
引退後の現在は会社経営者として働く一方、会社員として働く二つの顔を持ち、活動されています。
トップアスリート、ビジネスマンの両面からセカンドキャリアについてお話し頂いております。

【プロフィール】

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小坂 悠真

・1989年、神奈川県座間市生まれ。湘南工科大学附属高等学校に進学。
・法政大学進学後はジャパンオープンを制覇し、日本ランキング1位になり、ワールドカップなどの日本代表に選出される。
・ロンドンオリンピック選考会では6位という結果におわり現役を引退した。
・その後、WEB関連サービスを提供する企業の取締役と情報通信提供サービスを展開する企業の従業員のダブルワーク勤めをして各々の業界で活躍している。

日本一を経験した男がビジネス業界へチャレンジした理由

Q 水泳を始めたキッカケを教えて下さい。幼稚園の頃に兄が通っているスイミングスクールへ母親と付き添っていたところ、
元々落ち着きがなかった僕に対して母親が「アンタも入りなさい」と半ば強制的に入らされました。
小学校低学年にはサッカーもプレーしていたのですが、自ら「センスがない」と自覚して水泳1本に絞っていきました。

Q 高校時代は日本一にもなり、最終的にワールドカップの日本代表にも選出されましたが、現役中はどんな事を考えて競技に臨んでいましたか?オリンピックで金メダルを獲得する、世界一になる事を最大の目標として考えていました。

Q 現役の終わりを意識されたのはいつですか?高校3年の頃に読んだ『ユダヤ人大富豪の教え』という本の影響でスポーツをずっと続けていくよりも
ビジネスの道の方が楽しそうだなと漠然と考えていました。
タイミング的に大学4年の時期にロンドン五輪があったので、キリよくこのへんが潮時だろうなと。

Q 現役中から引退後の自分自身について明確なビジョンはありましたか?スポーツってまだ日本にビジネスとして成立していないじゃないですか。
スポーツ業界でお金が回っていない、その結果優秀な選手が資金の問題で競技を続けられない問題がある。その他もたくさんの課題を抱えているスポーツ業界をビジネスの側面から変えたい、と考えていました。

Q 今振り返った時、セカンドキャリアに対して現役時代にアクションしておけば良かった事はありますか?
英語とパソコンのプログラムの勉強ですね。英語は世界が広がるじゃないですか。
色々な価値観に触れられるので、ビジネスというか人生が楽しくなるなと。
あと、今のトレンドで考えるとパソコンを活用して何かビジネスをやってみるとか、プログラム書いてみるとかを経験しておけば楽だったなと思います。

Q 現役引退後はWEB関連サービスを提供する企業の取締役と情報通信提供サービスを展開する企業の従業員のダブルワーク勤めをされていますが、その経緯を教えて下さい。
株式会社ネクスウェイに入った経緯は、逆求人(通常通り企業側がブースを出すのではなく学生側がブースを出す内容)というイベントで声を掛けられました。話を聞くと面白そうな人がいたのと年収が高かったので、入社を希望しました。
当初ロンドン五輪に出場するつもりだったので、大会が終わって色々と落ち着いてからの10月入社予定だったのですが、
選考会で落ちてしまったので、空白の半年間が生まれてしまいました。
そこで大学時代からお手伝いしていた株式会社LUPINUS(WEB関連サービス)の社長に相談したところ、「ウチで修行すれば」とのアドバイスをもらいスーツケース一つで住み込み生活をしていました。
そして、ネクスウェイの入社時期になった際に、LUPINUSでも引き続き働きたいという想いから取締役の就任を自ら希望しました。
そこで、社長から「条件をクリアすれば良い」と承諾をもらい、見事達成し、今の役職に就きました。
なので、基本的な生活スタイルは月曜日から金曜日までがネクスウェイ、土・日曜日がLUPINUSで働くという感じですね。

Q そこでの具体的な仕事内容はどんな業務なのでしょうか?また、会社で成し遂げたい目標はなんでしょうか?
ネクスウェイでは新規事業の企画推進、カッコイイ言い方すれば社内起業家という感じですね。
現在メインで動いているので言えば、デジタルサイネージ。テレビCMのように、モニタに映像を流して広告枠として売るような業務を
それらの企画、交渉、営業など様々な事をやらせてもらっています。もちろんチームの助けがあってです。
LUPINUSでは、WEBコンサル事業、システム人材派遣事業、EC事業、メディア事業を行なっています。
自分がやっている仕事は、「swim media」の運営全般と、営業・マーケティング戦略を担当しています。

Q 水泳の指導者になろうとは思わなかったのですか?また、周りの方はどういったお仕事をされていますか?
特に思わなかったですね。面白いとは思いますけど、自分のやる事では無い、と思いましたね。
他の選手達の選択肢としては、スポーツ界だったら指導者、トレーナー、それ以外だったら商社や証券会社に入って営業バリバリやるって感じですかね。

スポーツ界に還元するビジネスアイデアとは?

Q 経営者となった今どんな壁や挫折を味わってきましたか?
メンバー(社員)に不平不満を言われた時はヘコみますね。
コチラからしたら「動いてくれない」、メンバーからしたら「そんなんで動きたいと思う訳ないでしょ」
どちらも分かるからこそ、そのギャップがあった時は辛かったですね。過去は、メンバーの要望をストレートに汲み取ってきたんですが、実情は壁を乗り越えたのではなく、その状況を打破する為に今では経営陣三人本気で「メンバーにとって本当に良い事がなにか」を考えるよう心掛けています。

Q 現在働いている中で、今後水泳界に還元する事、また関わっていく事はお考えでしょうか?

還元したいというか、還元しなきゃいけないと思ってます。
今まで成長させてもらった水泳界に恩返しをしなければいけないと思っています。
水泳界だけでなくスポーツ界全体にもいえることですが、様々な課題があると考えています。
それを解決する事が、水泳界への恩返しだと思っています。
LUPINUSがWEBに強い事もあり、取り組みの一つとして、「swim media-スイムメディア」(http://swim-media.com/)という水泳のトレーニング情報サイトを運営しています。
ターゲットは試合に出ている中級者以上で、彼らが結果を出せるようなトレーニング情報を提供しています。
結果が残せないから水泳を辞めてしまう人を減らし、スポーツ界の活性化をしていきたいと思っています。
Q 水泳競技を引退されて3年経つと思いますが、現役の頃とに比べて自身で変わられたと思う点はありますか?

水泳は個人競技なので、極端な話、自分の事だけを考えていれば良かったのですが、ビジネスでは周りに対して気配りができなければ仕事として機能しないので、思いやりを持つように意識してきました。
Q 水泳選手をしてきて、今のビジネスパーソンとして仕事に活きたことはなんですか?

頑張るという事ですね。自分の中では大して努力したつもりはないのに周りからは「めっちゃ頑張ってるね」と言われたり、
一般人との努力のハードルの高さが違うなとは感じますね。
もう一つは常に考え続ける事ですね。現役中はどうやったらタイムが良くなるか、効果的なトレーニングをできるかという事を常に考えてたんです。
ビジネスシーンでもそれは同じだと思うので、とても活かせてるのかなと思います。
Q 上場企業の社長でもスポーツ出身者は多くいる中で一般的な考えとして、アスリートは引退後に苦労するイメージを持つ方が多いと思いますが、そこについてどうお考えですか?

天才型の人間は苦労するのかなと思います。ある程度チヤホヤされてた中でお茶汲みからスタートと言われてもプライドが邪魔するパターンが多いと感じます。
僕の場合は同い年に入江選手や立石選手などのオリンピックメダリストがいたので、日本一になっても鼻が高くなる事はなかったですね。
Q 引退後に路頭に迷ってしまうアスリートも少なくはないのは何も選手だけの問題ではないと思います。選手をサポートする企業や団体も選手のセカンドキャリアを真剣に考える時期が来ているのではないでしょうか?

アスリートを甘やかす必要はないと思っています。元々日本は高いレベルの選手に対して勉強をしなくても良いという文化があるじゃないですか。
「それってマズい状態だよ」と気付かせてあげる機会や意識を変えてあげるキッカケづくりが必要だと思います。

トップアスリートと言えど決して甘やかしてはいけない!

Q  また日本選手権出場という目標を持って水泳競技を再開されたという事ですが、その理由は何ですか?
セルフブランディングですね。いずれスポーツ界に戻ろうと思っているので、その時にブクブクに太っていたら嫌じゃないですか。
そして周りから見た時に「まだ日本選手権出場している」ってカッコ良いじゃないですか。
あとは、後輩達に対して言い訳できないようにしてやりたいんです。仕事って大変ですけど、「小坂は更にスポーツもガチでやっているよ」と見せる事ができれば、仕事が忙しいと言い訳できなくなると思うんです。
そのようなライフワークバランスを自分で創り出していきたいです。そんな人が増えなければスポーツって根付かないと思うんですよ。
ただ現時点では日本選手権出場はメチャクチャ大変ですけどね(笑)
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Q 小坂さんの将来のキャリアプランをお聞かせ下さい。

スポーツ系のビジネスで大成功をして、出来る限り後継者を育てたいです。
ベンチャーキャピタルやエンジェルといった仕事も一つの形だと思います。
「スポーツ界をこのようなテクノロジーを使って良くしたい」とか「このようなビジネススキームで良くしたい」というようなスポーツ特化型の人間をサポートしていきたですね。
Q 現在、現役で活躍しているアスリートへセカンドキャリアの舞台で活躍されている先輩としてメッセージをお願い致します。

つまらない人生を送りたくないならスポーツバカにならないで欲しい。今のうちからスポーツ業界以外に視野を広げて欲しい。
もし何から手をつけたらいいか分からないなら自分に連絡をくれても構わない。
せっかく努力してきた良い才能を無駄にしないでもらいたいです。

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